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ものづくり文化の道とは?


 名古屋の街は1610年の名古屋城築城から始まると言われています。清須にあった街をそっくり移す「清須越し」が行われ、城下町が形成されていきました。
 城下町に生活物資を運ぶ堀川や東海道と中山道を結ぶ美濃路がこのエリアを通過していたため、沿川・沿道に盛り場や門前町などの町人地が形成されていきました。
 当時は生活の場と生産現場が近くにあるのが一般的でした。ここには、名古屋扇子や名古屋友禅、和凧などの伝統技能が今日まで受け継がれています。

 明治に入ると、近代工業の立地が盛んになります。豊田自働織布工場(現在はトヨタ産業技術記念館として活用)や日本陶器合名会社の洋食器工場(現在は一部をノリタケの森として活用)がその代表です。さらに全国的にも有名な菓子メーカーや菓子問屋の集積が進みました。
 そして、江戸時代の盛り場から出発し、圓頓寺の門前町ともつながって形成されていった円頓寺商店街は、周辺で働く人々の日常生活を支える街として栄えてきました。

 今日までに、壊されたものもあれば、新たに加えられたものもあります。近世から近代へ、そして現在に至るまでの重層的な街がこのエリアなのです。その意味でここは名古屋の原型であると言えます。街は常に変化していますが、そこには変わらぬものがあります。今なお「ものづくり」の現場があり、「ものづくり」の精神が継承され、「ものづくり」の文化が息吹いているのです。元気なものづくり名古屋の源流はここにあり、私たちはこのエリアを「ものづくり文化の道」と呼んでいます。そして「ものづくり文化の道」は“名古屋駅から最も近い観光エリア”なのです。


LinkIcon情報発信空間

ナゴノスペース

LinkIcon職人の技と産業

名古屋友禅、名古屋扇子、
和凧、名古屋提灯、
製靴・革工芸品、
菓子製造・菓子問屋、
大正琴 など

LinkIcon拠点となる産業観光施設

トヨタ産業技術記念館、
ノリタケの森 など

LinkIcon物語のある街並みや商店

円頓寺商店街界隈、
屋根神さま
蔵が並ぶ四間道、
歴史街道 美濃路 など

 

「ものづくり文化の道」情報発信空間

ナゴノスペース

 名古屋駅から歩いて7分、高層オフィスビル「名古屋プライムセントラルタワー」の足元にナゴノスペースはあります。ちょうどここは「ものづくり文化の道」エリアの入口に位置する情報発信拠点です。
 このナゴノスペースの中には、エリアの案内所や展示・交流スぺースのほか、靴づくりを学んだり靴のオーダーメイドができる「シューズボナンザ」があります。
●利用案内:ナゴノスペース
・展示や会議用に貸し出しています
・10:00~18:00
・名古屋市西区名駅2-27-6
・電話 052-589-2770
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職人の技と産業

名古屋友禅

”渋”の気品を絹に宿す 

尾張藩主徳川宗春の頃(1730~39)は華やかな尾張文化で、京都、江戸などから各種の職人が往来し、友禅の技法もその頃伝えられたと言われています。宗春の失脚後は元来の質素な気風に戻り、名古屋友禅は色数を抑えた単彩濃淡が特徴となりました。経済産業省指定の伝統的工芸品です。友禅は分業制ですが、西区の工房では全ての工程を行い、最後の工程である染色補正(色の直しやしみ抜き)も行っています。


●体験できます:友禅工房 堀部
・名古屋市西区万代町1-28
・電話 052-531-9875(要事前予約)
詳細はこちら
 

名古屋扇子

熟練の技が手元に広がる 
 名古屋扇子は宝暦年間(1751~64)に京都から現在の西区幅下付近に移り住んだ井上勘造父子によって始められたとされています。その後、扇の両面に渋をひいた「名古屋扇子」がつくられました。名古屋は京都と並ぶ屈指の扇子産地で、全国シェアの約3割を占めています。

●体験できます:末廣堂
・名古屋市西区新道1-20-14
・電話 052-562-2267(要事前予約)
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製靴・革工芸品 

素材の特徴を最大限に生かす職人技
 名古屋の革靴づくりは昭和30~50年代に非常に盛んとなり、上質な本革の靴づくりが特徴です。また、靴以外の革工芸品の製作技術も受け継がれています。

●体験できます:靴デザイン・クラフトスクール
・名古屋市西区栄生1-3-10
・電話 052-581-2728(要事前予約)
詳細はこちら

●体験できます:革工房うえすと
・名古屋市西区菊井1-21-17
・電話 052-563-5212(要事前予約)
詳細はこちら

菓子製造・菓子問屋 

思い出と癒しと笑顔を届け続けて 
 明道町や新道周辺には菓子製造業者や菓子問屋が集積しています。端緒は、名古屋城築城の石運び人、西枇杷島市場に集まる八百屋、美濃路の休憩所で旅人や人足衆を相手に駄菓子を販売した、など諸説あります。関東大震災後、名古屋の駄菓子は全国区となり、昭和30年代には全国の3割を占めるほどになりました。また、玩具つきのお菓子も名古屋が発祥と言われています。
 区内には、県内の優れたものづくり企業「愛知ブランド」認定の菓子メーカーもあります。

和凧 

揚げてよし、飾ってよしの粋な万能凧
 江戸時代から脈々と受け継がれた職人技で名古屋は和凧の一大生産地です。受け継いできた伝統技法を用い、美しさと丈夫さ、揚力に優れた和凧はインテリアとしても人気があります。名古屋の特産は扇凧です。

●体験できます:凧茂本店
・名古屋市西区押切2-2-10
・電話 052-522-5261(要事前予約)
詳細はこちら

名古屋提灯 

伝統という灯を絶やすことなく今に伝える
 室町時代にさかのぼる提灯づくりは、江戸時代には盆供養に提灯を使う風習が生まれ、盛んに作られるようになりました。名古屋提灯も歴史の古い業者が多く、和紙を通しての柔らかな光が欧米人にも好まれ、明治初期には貴重な輸出品として全国一の生産を誇りました。

●体験できます:雅創作工房
・名古屋市西区上名古屋1-11-5
・電話 052-528-5360(要事前予約)
詳細はこちら

大正琴 

名古屋から生まれた和洋折衷の調べ
 その名のとおり大正元年に名古屋で生まれた楽器です。二絃琴をベースに、タイプライターのキーボタンを音階ボタンとして組み合わせることにより、弦を指で押さえる代わりに、音階ボタンを押さえて弾くのが特徴です。

●体験できます:ナルダン楽器
・名古屋市西区幅下1-9-15
・電話 052-571-8882(要事前予約)
詳細はこちら

ものづくり文化の館 

間近で見る職人技 つくる楽しさを感じる時間
 「ものづくり文化の道」の魅力をより身近に感じていただくため、伝統工芸やレザークラフトなどの体験・実演イベント「ものづくり文化の館」をエリア内を中心に年3回ほど開催しています。


●体験できます:
詳細はこちら






 

拠点となる産業観光施設

トヨタ産業技術記念館  

トヨタの研究と創造の精神に触れる 
 ここは1911年に豊田佐吉が自動織機開発のための試験工場「豊田自働織布工場」を開設し、その後、旧豊田紡績本社工場となった場所です。(株)豊田自動織機製作所やトヨタ自動車工業(株)の設立総会が開催されるなど、トヨタグループ発祥の地でもあります。大正時代の赤レンガの工場建屋を保存・活用し、1994年に繊維機械と自動車の産業と技術の変遷を示す産業技術記念館が設立されました。
 記念館建物や織機等の所蔵物は、経済産業大臣認定の近代化産業遺産。

●トヨタ産業技術記念館
・名古屋市西区則武新町4-1-35
・電話 052-551-6115
・開館時間/9:30~17:00(入場受付16:30まで)
・休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始
詳細はこちら

ノリタケの森  

文化と出会い、森に憩う
 1904年、日本陶器合名会社(現ノリタケカンパニーリミテド)が、この地に洋食器工場を建設。数々の苦難を乗り越え、1914年に日本で初めて白色硬質磁器のディナーセットの製造に成功しました。その後、高圧碍子や衛生陶器の研究を開始、日本ガイシとTOTOの誕生につながりました。まさにこの地は近代陶業発祥の地といえます。ノリタケが創立百周年を記念して、2001年に本社敷地内に整備したのが「ノリタケの森」です。広大な敷地には、四季折々の樹木が植えられ、訪れた人々は豊かな緑に囲まれて憩いの時間を過ごしています。
 旧工場跡6本煙突や旧製土工場等は、経済産業大臣認定の近代化産業遺産。

●体験できます:ノリタケの森(クラフトセンター・ノリタケミュージアム)
・名古屋市西区則武新町3-1-36
・電話 052-561-7114(クラフトセンター)
・開館時間/10:00~17:00
・休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始
詳細はこちら

 

物語のある商店街や街並み

円頓寺商店街界隈 

賑わいと生活の密なる空間
 名古屋の城下町形成とともにできた街であり、随所にその面影を残しています。商店街に名づけられた圓頓寺をはじめ、慶栄寺、専修寺などの仏閣や「清須越し」で名を移した五条橋、四間道と土蔵群、旧商家や屋根神さま、子守地蔵尊など、歴史資源が今なお存在します。
 また、歴史ある商店街では下町情緒を感じながらお買い物や食べ歩きを楽しめるほか、七夕まつりをはじめ、さまざまなイベントが開催されています。

屋根神さま

生活の知恵が生んだ”まちかど文化財”
 その名のとおり屋根にまつられている神さまのことです。地域の守り神として町内や隣組などの小組織で守られており、もともと神さまをまつる地所がなかったことから屋根の上や軒下にまつったのがその始まりと言われています。名古屋市内の半数が西区にあります。 

蔵が並ぶ四間道

歴史と都心のコントラスト
 「清須越し」によってつくられた商人町で、1700年の大火の後、町中の延焼を避けるため道幅を四間(約7m)に拡幅したことからその名がついたとも言われています。堀川の水運を利用して米穀、塩、味噌、酒、薪炭などを城下町へ供給する、清須越商家が美濃路側に軒を並べて繁栄しました。その商家の蔵が建ち並んだ四間道は、東側の石垣の上に土蔵群、西側には町家群からなる珍しい町並みを、今なお見ることができます。名古屋市町並み保存地区。

歴史街道 美濃路 

時代を越え、人々が行き交った道
 美濃路は東海道宮宿(熱田区)と中山道垂井宿(岐阜県垂井町)をつないだ街道です。宮宿と桑名宿の間が海路で天候に左右される東海道より、陸路である美濃路がよく利用されました。1610年、家康により尾張の首府が清須から名古屋へ移され、清須越しといわれました。短期間に大規模な都市移転が行われ、各地から様々な職人や商人が集まり、多くは西区の美濃路沿いに店を並べ、ものづくりの気風が育ちました。堀川沿いには今も清須越商家の町並みが残され、四間道と一体となり名古屋市町並み保存地区を形成しています。

 

 
ガイドボランティアがエリアの魅力スポットをご案内します。(→ボランティアガイドのページに
●問合せ・申込:「ものづくり文化の道」マイスターの会
・電話 052-523-4525 (西区役所地域力推進室)

(データは2021年3月時点)

「名古屋城公式ウェブサイト」(公財)名古屋観光コンベンションビューローウェブサイト「名古屋観光情報 名古屋コンシェルジュ」